平成17年度(2005)
ロビー展 ミュージアム・コレクション「北のお人形」
【会 期】 平成17年4月28日(木)〜5月29日(日)
【会 場】 北方民族博物館特別展示室
【主 催】 北海道立北方民族博物館
【内 容】 北方地域の人形を紹介します。
【観覧料】 無料
主担当 笹倉いる美
ロビー展 自然への畏敬−清水晶子・植物画展
【会 期】 平成17年6月17日(金)〜7月3日(日)
【会 場】 北方民族博物館特別展示室
【主 催】 北海道立北方民族博物館
【内 容】 網走市在住の植物画家・清水晶子氏の作品を紹介します。
【展示資料】 植物画約70点
【観覧料】 無料
主担当 中田篤
第20回特別展 アイヌと北の植物民族学〜たべる・のむ・うむ〜
【会 期】 平成17年7月16日(土)〜10月10日(月・祝)
【会 場】 北方民族博物館特別展示室
【主 催】 北海道立北方民族博物館
【観覧料】 一般450(360)円 高校生・大学生150(120)円 小学生・中学生70(50) ※( )内は10名以上の団体料金。
【趣 旨】 狩猟・漁撈・牧畜と、動物から日々の糧を得てきた北方の諸民族。しかし、植物もまた食糧をはじめ、薬、編織物、染料、儀礼具など生活に欠かせないものとして利用されてきました。
本展では、北海道のアイヌを中心にロシア、アラスカ、カナダなどの先住民の生活用具と乾燥食材などを展示し、植物の重要性を示します。また、主に植物の採集・加工を担い、現代までその知識と技術を受け継いできた女性の仕事についても紹介します。
たべる:デンプンを含むユリ根は、食生活の柱ともなっていました。また、香辛料、ハーブとして利用されるものや、多種の食材と食器、採集、加工具を紹介します。
のむ:薬として、茶として飲まれ、健康を支えた多種の草木。なかには医学的に薬効の認められるものもあり、また信仰とかかわるものも少なくありません。
うむ:樹皮や草などの植物性繊維で織物をつくる技術の北限は、アイヌ文化でした。また、北太平洋沿岸はバスケット細工の発達した地域でもありました。
チセ−植物に囲まれたくらし−:チセは、柱や屋根を木で組み、ヨシやススキ、ササなどで葺いたアイヌの住居です。屋内の床や壁には、ござが敷き詰められ、まさに植物に囲まれたくらしでした。本展では、実物大のチセを復元展示します。
リーフレットpdf
【協力】 (財)アイヌ文化振興・研究推進機構、北海道開拓記念館、帯広百年記念館、斜里町立知床博物館、(財)アイヌ民族博物館、(財)埋蔵文化財センター、静内町アイヌ民俗資料館、(株)さっぽろ自然調査館、知里眞希氏、日川清氏、遠山サキ氏、堀悦子氏、床明氏、床みどり氏、山岸喬氏、岡田淳子氏、村木美幸氏、呉人惠氏、水島未記氏
第20回特別展図録
主担当 齋藤玲子
森下造形研究室作品展 『素敵な革工芸』
【会 期】 平成17年10月21日(金)〜10月30日(日)
【会 場】 北方民族博物館特別展示室
【主 催】 森下造形研究室
【内 容】 森下造形研究室(主宰:森下雅代氏)の作品を紹介します。
森下造形研究室ホームページ
ロビー展 ミュージアム・コレクション「北の楽器」展
【会 期】 平成17年11月3日(木)〜12月4日(日)
【会 場】 北方民族博物館特別展示室
【主 催】 北海道立北方民族博物館
【内 容】 北方地域の楽器を中心に紹介します。
【展示資料】 五弦琴、馬頭琴、口琴、太鼓等約30点
主担当 角達之助
企画展 『イヌイト・アートの世界 〜光洋マテリカ寄贈資料展〜』
【会 期】 平成18年2月4日(土)〜3月26日(日)
【会 場】 北方民族博物館特別展示室
【主 催】 北海道立北方民族博物館
【趣 旨】 本展は、平成16年度に光洋マテリカ株式会社(名古屋市)から当館に寄贈されたイヌイトの版画と彫刻など(計70点)を紹介するものです。このコレクションは、同社の創業者である名誉会長の吉田三栄吉氏がカナダを訪問した際に、イヌイト・アートの素朴さや自然との共生という精神性に感動し、1997-1999年に収集した作品です。同社では作家の経歴などの情報収集に努め、ギャラリーでの展示等を行ってきました。しかし、より多くの人の目に触れる機会を増やし、作品の素晴らしさを一般に普及したいという意図から、北方民族博物館に寄贈されました。
当館では320点あまりのイヌイト・アート作品を収蔵していますが、なかでも光洋マテリカの資料は比較的新しいものが多く、イヌイト・アートの現状を反映しており、作家の経歴等が明らかなコレクションです。今回は、題材別に紹介し、イヌイトのくらしや世界観をご覧いただきたいと思います。
【イヌイト・アートの歴史】カナダ極北部にくらすイヌイトの間では、20世紀前半まで狩猟や漁撈を柱とした伝統的な生活が営まれていました。しかし、第二次世界大戦後、定住化や学校教育の普及などにより、その文化は急激に変化しました。イヌイトは古くから、狩猟や儀礼の道具などに精巧な彫刻を施していました。1940年代末に、トロント出身の芸術家ジェームズ・ヒューストンはイヌイトの彫刻に商品価値を見出し、展覧会などを通じて市場に売り出すことに成功しました。イヌイトにとって彫刻を作ることは、それまでの毛皮交易に代わって収入を得る手段のひとつとなり、短期間のうちに極北の多くの村で制作が行われるようになりました。素材はオイル・ランプに用いられてきた滑石(ソープ・ストーン)が多く、動物の骨・角・牙なども使われます。主な題材は日常生活や説話の中の人物・動物像などですが、複雑なモチーフや象徴性の高い作品も増えています。
版画は1950年代に制作が始められ、彫刻とならんでカナダの「イヌイト・アート」を代表するものとなっています。指導にあたったヒューストンは1958ー59年に来日、平塚運一の下で版画技術を学び、和紙を用い、落款風のスタンプを押し、浮世絵の制作システムと同様に、当初はかつての生活を回顧するような素朴な描写のものが多くありましたが、次第に世界観などをユタ館意表源した芸術的な作品が増えてきました。
イヌイト・アートには彫刻、版画・絵画、アップリケや手織りのタペストリーなどがあります。これらは美術市場でも評価を得ており、経済的にも精神的にもイヌイトの生活を大きく変えたといわれています。
【協 力】 光洋マテリカ株式会社(名古屋市)、カナダ大使館、大村敬一氏、岸上伸啓氏
企画展図録
主担当 渡部裕
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